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18話 部屋での楽しいひと時

Author: みみっく
last update Last Updated: 2025-06-26 07:00:04

 ——パジャマタイムと女の子らしさ

 夕食を終えた後、レティアとルーシーはレティアの部屋に戻ると、クローゼットを開けた。そこから取り出されたのは、可愛らしいネグリジェのパジャマだった。一枚は薄ピンク色で、柔らかな生地に小さな花模様が散りばめられており、見るだけで心が和むようなデザイン。

 もう一枚は薄青色で、爽やかな印象を与える半袖のデザイン。どちらもふんわりとしたシルエットで、着る人を優しく包み込むような雰囲気を持っていた。

「ルーシーは、青色のでいいかなぁ?」レティアが首を可愛く傾げながら、微笑みを浮かべて尋ねた。

 その仕草に、ルーシーは一瞬言葉を失い、顔を少し赤らめながら「べ、別にどっちでもいいけど……まあ、青でも悪くないわね」とツンとした態度で答えた。

 しかし、手渡された薄青色のネグリジェをそっと触れると、その柔らかさと可愛らしさに思わず口元がほころび、目を輝かせた。

「それ、似合うと思うよっ! ルーシー絶対かわいー♪」レティアが嬉しそうに声を弾ませると、ルーシーは照れくさそうに「そ、そんなこと言われてもね……こんな可愛いの初めて着るし、わたしには可愛すぎでしょ。」と視線を逸らしながらも、心の中では嬉しさが溢れているのを感じた。

 革の防具や服を脱ぐと隠れていたルーシーの華奢ながらも、しっかりと女性らしい丸みを帯びた肩のラインや、ふっくらとした胸元があらわれた。驚いたレティアがジッと見つめていた視線をルーシーが感じた。

「……そんなに見つめないでよね。恥ずかしいじゃないの!」部屋の隅っこで着替えをするルーシーが顔を赤くしながら着替えていた。

「えぇ……だって、うらやましーんだもんっ!」頰をぷくーと膨らませたレティアが言った。

「あんただって、そのうち大きくなるでしょ。レティーの方が可愛らしいし……」恥ずかしそうにルーシーがつぶやき顔を逸らした。

 二人がパジャマに着替えると、部屋の雰囲気が一気に和やかになった。レティアは薄ピンク色のネグリジェを着て、まるで可愛いお姫様のように輝いていた。

 一方、ルーシーは薄青色のネグリジェを身にまとい、ツンとした態度の中にも普段の雰囲気とは違い、肩から腕にかけての柔らかな曲線は繊細な美しさを際立たせ、ネックラインから覗く鎖骨は華奢な印象を与えていた。ふんわりとしたスカート部分が、すらりとした足元で軽やかに揺れ、その姿は普段の防具に身を包んだ時からは想像もつかないほど、可愛らしく、そしてどこかあどけない少女の魅力を放っていた。

「やっぱり、ルーシーの青色、すごく似合ってるねっ♪」レティアが目を輝かせながら言うと、ルーシーは「そ、そう? まあ、悪くないかも……」と少し照れながらも満足そうに微笑んだ。

 二人はその後、パジャマ姿で楽しくおしゃべりをしながら、笑い声が絶えない夜を過ごした。部屋には、二人の幸せそうな空気が満ち溢れていた。

 ——突然の物音と高まる緊張

 ベッドに嬉しそうな顔をした二人並んで座っている。レティアがふと思いついたように提案した。

「ねぇ、怖い話しよー! 楽しそうだよぅ♪」

 ルーシーは提案に驚いたように顔をしかめる。

「えっ……怖い話なんて嫌よ! 夜寝られなくなるじゃないの。」

「えー! ルーシーお姉ちゃんって怖がりさんなのぉ……?」

 レティアは悪戯っぽく笑いながら顔を覗き込む。その無邪気な様子に、ルーシーはため息をつきながらも少し笑みを浮かべる。

「……仕方ないわね。でも、本当に怖くない話よ! 聞いても知らないわよ!?」

 ルーシーは口調を強めながらも、どこかワクワクした気持ちが伝わってきた。

 部屋の灯りが薄暗く調整され、ほんのり揺れるランプの明かりだけが残される。ルーシーがゆっくり話し始めた。

「昔ね、この森で迷った冒険者がいたの。夜も更けて帰るのを諦めて野営をすることにしたの。そのとき……真っ暗な森の中で、その冒険者は誰かが彼を呼ぶ声を聞いたの……。」

「うわぁ、え? 続き続きぃー!」

 レティアは目を輝かせてもっと身を乗り出す。

「でも、誰もいないはずなのに、声はどんどん近づいてきて……。気づいたら、彼の肩に……冷たい手が置かれていたんだって。」

 ルーシーは言葉を切り、じっとレティアを見つめる。その瞬間、小さな物音が窓の外で鳴り響いた。

「キャッ……! ちょ、ちょっと! 何の音なの!? レティー!!」

 ルーシーは一瞬声を上げてレティアにしがみつく。その様子を見たレティアは、少し笑いながら答える。

「ふふ、たぶん小動物さんだよぅ♪ ルーシーってやっぱり怖がりさんだねー。」

「もう、いいわよ! 怖い話なんてするんじゃなかった!」

 ルーシーは拗ねたように答えながらも、頬を少し赤く染めていた。

 その後も二人は、軽く冗談を交えながら怖い話タイムを楽しむ。ルーシーの怖がりながらも一生懸命話す姿に、レティアはますます笑顔を浮かべていた。そして話が終わる頃には、二人の部屋にはすっかり穏やかな雰囲気が戻っていた。

 夜も更け、部屋の明かりが控えめに灯る中、レティアとルーシーはベッドに並んで座り、穏やかな会話を続けていた。二人が笑い合う声が響く中、不意に窓の外で小さな物音が鳴り響く。

「……ねぇ、レティー。今、またなんか聞こえなかった?」

 ルーシーが眉をひそめながら窓の方に目を向ける。先ほどの怖い話のこともあり、その声にはほんの少しの緊張が滲んでいた。

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